部瀬名貝塚

沖縄貝塚時代後期

【所在地】名護市字喜瀬

 部瀬名貝塚は、昭和28(1953)年に多和田真淳氏によって発見された遺跡で、平成5(1993)年度にブセナリゾート開発に伴う発掘調査、平成11(1999)年度には国道58号・部瀬名線道路線形改良事業に伴う発掘調査が行われました。

 平成5年度の調査では、それ以前の浚渫によって調査区のかなりの範囲で遺跡が破壊されていることが分かりましたが、それでも多くの土器や石器、貝製品、貝類、獣骨などが出土しました。土器は、沖縄貝塚時代後期の土器を主体としており、大型の甕や鉢型土器で、まれに小型の土器も見られました。底部は、この時期の遺跡からよく出土する乳房状尖底が最も多く出土しました。口縁部の資料は、曲線文や弧文を施すなど、無文が多く後期の土器において、特徴的な資料が多く出土しています。また、鹿児島県の弥生土器も出土するなど、南九州弥生人との交流をうかがわせる資料も得られています。

 遺構としては、この時代の遺跡に特徴的なゴホウラとイモガイが積み重なった貝の集積遺構が検出されました。これらの貝は腕輪や貝製品の材料となるもので、九州地方と交流するときの交易品だと考えられています。

 自然遺物では、大量の貝類とともに、ジュゴンや猪の骨も出土し、当時の食生活を垣間見ることのできる資料が出土しました。

 平成11年度の調査では、平成5年度の調査と同様に沖縄貝塚時代後期の土器が出土したものの、同時に壺屋焼と思われる陶器等も出土し、調査区全体がかく乱を受けていることが確認されました。

 遺構はかく乱によって破壊されている場所が多いものの、その広がりはブセナリゾート地内から国道58号の南側までと広い範囲に及ぶことが分かりました。

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部瀬名貝塚 発掘調査の様子
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部瀬名貝塚 貝だまり
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部瀬名貝塚 土器(口縁部)
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部瀬名貝塚 土器(底部)
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部瀬名貝塚 貝製品

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