宇茂佐古島遺跡

グスク時代~近世

【所在地】名護市宇茂佐の森

 宇茂佐古島遺跡は、屋部や宇茂佐の故地として伝えられ、古くから遺跡の存在が知られていました。

 平成7~9(1995~1997)に宇茂佐第二土地区画整理事業に伴い実施された緊急発掘調査において、14~17世紀頃に生産された陶磁器類を主体に、古銭、石器、高麗系古瓦や煙管など多彩な遺物が出土しています。

 陶磁器は、沖縄製陶器、中国製の青磁、白磁、青花が出土しており、タイやベトナムのものと考えられる陶磁器も少量ながら出土しています。また、日本製の肥前陶磁器や備前焼などは16世紀後半以降の生産年代であり、総じて16世紀以降、17・18世紀頃までの焼物が出土してます。

 特筆すべき遺物としては、高麗系の古瓦が多く出土したことがあげられます。県内の高麗系古瓦の生産年代は14世紀後半~15世紀前半頃と考えられていますが、その正確な生産年代や生産地について明らかになっていません。

 本遺跡の側を流れる屋部川の河口でこの瓦が採集されることは、研究者の間ではたびたび注目されて来ました(屋部川河口古瓦出土地)。この調査において、その理由を明らかにすることはできませんでしたが、この瓦が多く出土したことは、瓦生産地や流通ルートの解明などの観点から、注目されています。

 遺構としては、井戸跡、小ピット列群、跡、礫敷きなどが検出されています。中でも小ピット列群は、耕作痕と考えられ、浅いピットが列状に並んで検出されたものです。ピットの中の土を分析した結果、ウシクサ属(ススキ属含む)の痕跡が多くみられ、栽培種のイネ属も検出されました。畑の検出例として、面的に把握することができたことは、調査の大きな成果の一つです。

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宇茂佐古島遺跡 発掘調査区全景
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宇茂佐古島遺跡 発掘調査の様子
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宇茂佐古島遺跡 ピット列群検出状況
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宇茂佐古島遺跡 出土遺物(煙管、高麗系瓦ほか)

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