HPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチンの積極的な接種勧奨が再開されました
平成25年6月より、国は予防接種法に基づく、ヒトパピローマウイルスワクチンの接種についてワクチンとの因果関係が
不明な疼痛などの多彩な症状の報告があったことから、国民に適切な情報提供ができるまでの間は、定期接種を積極的に勧奨
すべきでないとし、積極的勧奨を控えていました。
しかし、令和3年11月26日、厚生労働省より、最新の知見を踏まえ、改めてヒトパピローマウイルスの安全性について特段
の懸念がないことが確認され、接種による有効性が副反応のリスクを明らかに上回ると認められ、積極的勧奨を再開すると
の通知がありました。
ヒトパピローマウイルス感染症と子宮頸がんについて
ヒトパピローマウイルス(HPV)は、ヒトにとって特殊なウイルスではなく、性行為で感染し、そしてその中の一部が
子宮頸がん等を発症します。100種類の遺伝子型があるHPVの中で、子宮頸がんの約50~70%は、HPV16型、18型の
感染が原因とされています。HPVに感染しても、多くの場合免疫により排除されウイルスは自然に検出されなくなります
が、一部は排除されずに持続感染し、数年から十数年かけて前がん病変の状態を経て子宮頸がんを発症します。
子宮頸がんは国内で年間11,000人が発症し、年間2,900人が死亡すると推定されており、また近年、罹患率、死亡率
ともに若年層で増加傾向にあります。またがんの治療で子宮を失い、妊娠出来なくなる方も、年間1,000人いると言われてい
ます。
ワクチンでHPV感染を防ぐとともに、子宮頸がん検診によって前がん状態を早期発見し、早期に治療することで、子宮
頸がんの発症や死亡の減少が期待できます。
ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンについて
ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンは子宮頸がんを直接予防するワクチンではなく、子宮頸がんの原因となる
ヒトパピローマウイルス感染症を予防するワクチンです。
現在定期接種では、サーバリック(2価)、ガーダシル(4価)の2種類のワクチンがありますが、どちらも子宮頸がん
の原因の50~70%を占める16型と18型に対する抗原を含んでいるワクチンです。
令和4年4月より、接種対象者には順次、接種のご案内と情報提供のパンフレットを送付します。
接種にあたっては、パンフレットをよく読んでいただき、有効性とリスクを理解した上で判断し、接種を行って下さい。
HPVワクチン接種勧奨対象者
対象者(生年月日) | 助成対象期間 | 備考 |
定期接種対象者 接種当日、名護市に住民登録がある者で、平成18年4月2日~平成22年4月1日生まれの女子 (高校1年相当、中学3年、中学2年、中学1年) ※平成22年4月2日~平成23年4月1日生まれの女子(小学6年)も定期接種対象者ですが、 標準的な接種年齢である次年度に通知は行います。ただし早めの接種を希望する場合は接種 できます。 |
高校1年生相当の年度末3月31日まで |
※平成18年4月2日から平成20年4月1日まで(R4に高1、中3) の対象者については、定期の助成期間内に3回の接種を終了できない 場合、キャッチアップ接種の対象者と同様令和7年3月31日までは、接種の 助成が受けられます。 |
積極的勧奨を控えていた時期(平成25年度から令和3年度)に接種対象であった方 (キャッチアップ接種) 接種当日、名護市に住民登録がある者で、平成9年4月2日~平成18年4月1日生まれの女子 |
令和4年4月1日~令和7年3月31日まで(3年間) |
名護市の記録で、3回接種を完了していない方に通知を行います。 1,2回接種している方は残りの回数の接種を受けられます。 接種時には医療機関に母子手帳などを忘れずにお持ち下さい。 ※接種完了後の他市町村からの転入や、任意接種ですでに接種を完了し ている方にも通知が届く場合があるのでご了承下さい。 |
接種方法
ワクチン名 | サーバリック(2価) | ガーダシル(4価) |
接種回数 | 3回 | 3回 |
標準的な接種間隔 |
1月の間隔をおいて2回行った後、1回目接種から6月の間隔をおいて1回(3回目接種)を行う |
2月の間隔をおいて2回行った後、1回目接種から6月の間隔をおいて1回(3回目接種)を行う |
標準的な方法がとれない場合 |
1月以上の間隔をおいて2回行った後、1回目接種から5月以上かつ2回目接種から2月半以上 の間隔をおいて1回(3回目接種)を行う |
1月以上の間隔をおいて2回行った後、2回目接種から3月以上の間隔をおいて 1回(3回目接種)を行う |
※全3回とも同じ種類のワクチンで接種を受けて下さい。途中でワクチンを変更することはできません。
接種場所
令和4年4月現在名護市内では9カ所の医療機関でHPVワクチン接種が受けられます。添付の個別医療機関一覧をご
確認下さい。接種を希望する時は、必ず事前予約をお願いします。
市外(県内)での接種を希望する場合は、医療機関にHPVワクチンを定期で実施しているか確認し予約して下さい。
令和4年度 個別予防接種受託医療機関一覧[PDF:145KB]令和4年度 個別予防接種受託医療機関一覧[PDF:145KB]
※県外での接種を希望する場合は予防接種実施依頼の申請が必要となります。
詳しくはこちらをご覧下さい。https://www.city.nago.okinawa.jp/kurashi/2022041000014/
接種の際の持ちもの
母子健康手帳(接種履歴を医療機関で確認) 健康保険証(名護市の住民であることの確認)
ヒトパピローマウイルス予防接種予診票(市内の医療機関備え付け、又は名護市で依頼して発行できます。ただし
市外や県外で接種を予定している方は医療機関の備え付けはないため、必ず名護市で予診票の発行依頼を行って下さい。)
※16歳未満は予診票に保護者の署名が必要です。16歳以上は本人の自署でも接種できます。
同意書について
予防接種の実施にあたっては、原則として保護者の同伴が必要です。ただし、13歳以上(13歳以上のお誕生日の前日)
16歳未満の方への予防接種については、保護者がワクチンの有効性やリスクを理解し、納得してお子さまに予防接種
を受けさせることを希望する場合に限り、保護者の同伴なく予防接種を受けることができます。
その際には必ず「同意書」と予診票に保護者の署名をしたうえ、接種当日医療機関にお持ち下さい。
「同意書」への署名は、接種に対する疑問などをあらかじめかかりつけ医や健康増進課に確認して、充分に納得した
うえで、接種させることをきめてからにして下さい。
同意書の様式は予診票申請時にお申し出下さい。
HPVワクチン(ヒトパピローマウイルス感染症)の副反応
2価HPVワクチンの副反応としては、疼痛(99%)、発赤(88.2%)及び腫れ(78.8%)などの局所反応と、軽度の
発熱、倦怠感などの全身反応があります。また4価HPVワクチンの副反応としては、疼痛(82.7%)、紅斑(32%)
及び腫れ(28.3%)などの局所反応と、発熱、頭痛などの全身反応があります。またまれに重い副反応が生じる場合
もあり、現在厚生労働省では副反応の報告を集め、定期的に専門家が分析・評価して調査を行っているところです。
*ワクチン接種の当日、緊張や痛みをきっかけに、立ちくらみや失神をおこすことがあります。これは
「血管迷走神経反射」という誰にでも起こる可能性のある反応です。通常横になって休めばよくなりますが、
倒れてけがをしないよう、接種後30分ほどは背もたれのある椅子等に座って休み、様子を見ることをお勧めします。
他の予防接種との接種間隔
HPVワクチンは不活化ワクチンなので他の予防接種との接種間隔の決まりはありませんが、新型コロナワクチン
との接種間隔は接種日を除いて13日あける(2週間以上)必要があります。
すでにHPVワクチンを自費で接種した方へ
令和4年8月1日より、令和4年3月31日までに自費でHPVワクチンを接種した方への費用助成を行います。
詳しくはこちらをご覧下さい。
https://www.city.nago.okinawa.jp/kurashi/2022071900032/
相談窓口について
名護市健康増進課
電話番号:0980-53-1281(内158)
受付時間:月曜日~金曜日(祝日、年始年末を除く)
沖縄県
●医療救済に関すること:保健医療部ワクチン戦略課予防班
電話番号:098-866-2013
●学校生活に関すること:教育長保健体育科健康体育班
電話番号:098-866-2726
厚生労働省
●感染症・予防相談窓口:NPVを含む予防接種、感染症全般)
電話番号:050-3818-2242
受付時間:(祝日、年始年末は除く)
●医療機関
※接種後気になる症状が生じた際は、まずは接種を行った医師又はかかりつけ医に相談して下さい。
必要がある場合は、沖縄県の協力医療機関(琉球大学病院)の受診について相談・紹介してもらうこと
ができます。
HPVワクチンを受けたお子様と保護者の方へ[PDF:1.24MB]
●厚生労働省ホームページ(さらに詳しい情報はこちらをご覧下さい)
ttps://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou28/index.html
●HPVワクチンに関するQ&Aはこちらをご覧下さい。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou/hpv_qa.html
連絡先 名護市 市民部 健康増進課 健康づくり係
電話 0980-53-1212(158)
FAX 0980-53-7570
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